一角おじいさん

思考の果てに辿り着いた一本の線を食べて、角を生やしたおじいさんは、
やがて松明を片手にこの家を出て行った。
外は暗く一角おじいさんの姿が松明と揺らいでいく。
森を覆った牙の鋭い狩人たちがダラリと涎を垂らしては、
明滅を繰り返す一角おじいさんを追い詰める。
枝で梟が鳴く、静かな夜だった。

2007 03 29